2014年04月02日

短い春。




昨日、今年初めてのヒグマを見た。
初めの出会いとは嬉しいものだ。

なるべく多くのクマに会いたいといつも思ってはいるが
『知床半島以外の場所でヒグマを撮影したい』というのも
僕にとっては大きな目的の一つだった。
道東に住んでいる間がその最大のチャンスだと思った。
知床へと通う合間に、阿寒や大雪などの森に通って
試行錯誤を繰り返した。
結果、遠目に数頭のヒグマに出会えただけだった。

右も左もわからないフィールドで野生動物を追うことは難しい。
歩き回る中で、いくつかの仮定を信じて、証拠となる兆しを集めて、
一つだけつながるものを発見した。
そして昨日、ようやく満足のいく距離感で彼等に出会うことができた。
それが、僕にとってはとても嬉しいことだった。

到達までの過程は、絵に滲み出ると信じてはいる。
とは言いながら、効率に流されそうになる自分を叱咤する必要も常にある。
「撮り易いものを撮る」、「撮りたいものを撮る」
この二つは似ているが、その隔たりは大きい。

道東に住まう時間も残り少ない。あと何度出会えるか。
明日も森へ行こうと思う。




Posted by Sinh at 12:59│Comments(0)
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